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契約の夜

冷たい応接室で、契約の先に待つ支配と快楽

10 次閱讀 3,345 2026/9/12 更新

契約書にサインした綾瀬は、鷹司に所有を宣言される。体を開かれ、逃げられない快楽に追い詰められていく。

第一章

契約の夜

約書の最後の行に、彼女は自分の名前を書き込んだ。ペン先が紙を引っ掻く音だけが、静かな応接室に響いている。書き終えた綾瀬は息を詰めたまま顔を上げられなかった。指先が自分の名前の上で止まり、ペンを置く動作もどこか硬い。

鷹司は対面の革張りの椅子にゆったりと背を預け、綾瀬の手元を見ていた。机の上には書き終えたばかりの契約書が置かれ、二人の名前が同じ紙の上に並んでいる。彼はしばらく黙ったまま、自分の指先を机の縁に這わせるように動かした。

「終わったか」

低い声が部屋の空気を震わせる。綾瀬は小さく頷き、ようやく視線を上げた。鷹司の顔は変わらず落ち着いていて、笑っても怒ってもいない。彼は手を伸ばし、契約書を自分の側に引き寄せると、綾瀬の書いた名前の字を親指でなぞった。

「ここで、お前は俺のものになった」

綾瀬の喉が小さく上下する。理屈ではわかっている、契約書にサインをした時点でそうなることは最初から決まっていた。紙に書かれた条件を読み、時間をかけて考え、自分でこの席に座った。それなのに、改めて言葉にされると背中が強張る。

「はい」

絞り出すような返事だった。鷹司は彼女の返事に何も言わず、立ち上がって机を回り込む。革靴の音が一歩ずつ近づくたびに、綾瀬の膝の上で組んだ指が白くなる。隣に立った彼の手が、綾瀬の後ろ髪に触れた。切れ長の黒髪をゆっくりと払うように、首筋まで滑り降りる。

「顔を上げろ」

言われた通りに顔を上げると、鷹司の指が顎を捉えた。強くはない、だが離れない力で上向かされる。至近距離から見下ろす目は、怯える彼女を観察するような冷静さを保っている。

「拒否権は、今ならまだある。どうする」

選択肢を突きつけられて、綾瀬は唇を噛んだ。ここで逃げるのは簡単だ、まだ何も始まっていない。だが契約書の自分の名前を見て、彼女は首を横に振った。

「続けてください」

答えを聞いた鷹司の指先が、顎から首へと下りる。細い首筋を確認するように撫でられ、綾瀬の肩が小さく跳ねた。彼は片膝を床につき、彼女のブラウスの第一ボタンに指をかけた。金属の小さな突起を片手で外すだけの動作が、妙に丁寧で時間をかける。

「手を膝の上に置いたまま、動かすな」

第二ボタン、第三ボタンと外れていく。布の合わせ目から白い肌とレースの縁が覗き始め、綾瀬は指を太腿の上で丸めた。視線を落とすと、自分の胸元を開いていく鷹司の手が見えて、吐息が上ずる。彼の指先は骨張っていて、一動作ごとに迷いがない。

ブラウスの前を大きく開かれると、空調の風が素肌に触れて肌が粟立った。鷹司は背中に手を回し、ホックを外す前に綾瀬の耳元へ口を寄せる。

「俺の手で、ちゃんと解くからな」

小さな金属音と同時に胸の締め付けが緩む。ブラジャーは前から剝がされるように外され、露わになった乳房がわずかに揺れた。形の整った膨らみの頂点は、空気に触れた途端に硬く立ち上がっている。鷹司の目がそこを舐めるように眺めた後、手のひら全体で右の乳房を包んだ。

「ひ、あ……」

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